2020年雑感

醸造所が開設され2年目に入りました。流行病がもたらした社会現象で世の中ががらりと変わり、すべての事柄において「フィルター」がかかりました。僕はもともとハウスやテクノのDJをしていたのですが、たまに「フィルター」というエフェクトを使っておりました。「フィルター」とは音の周波数の一部をカットして音に変調を加えるものです。こういうエフェクトはたまに使うと抑揚がついたり展開をつけられたりするのです。ありえないですが、これが延々とかかるととても気持ち悪い。今年の状況はまさしく「一部がカット(制限)された」いわゆるフィルターが延々とかかった状態です。制御されていない社会というぶっ壊れたミキサーの中で強制的にうねらされ続けた感が否めないというのが今年の感想です。

この強制的にウネウネっとした状況で、どういった選曲(行動)がフィットするのだろう。と純粋に考えるようになりました。


もちろん正解はありません。一つ一つ新しい行動をするにあたり毎回「これやっても大丈夫やろか」と考えてます。

この状況に対する方針として

お客様は「島に行きたい」僕は「島でみんなで乾杯したい」

その思いを行動で消化するべきなんだ。シンプルですが、僕は自分のビールを買ってくれた人、ビールを飲んでくれた人、関わってくれた人に改めて感謝すること。

ともあれこの状況で何とか麦酒屋として生き残ることができたことが本当に有難いです

●麦酒屋●

3月の大阪でのイベント、春夏秋のイベントがすべてなくなりました。

その中で師匠の吉備土手下麦酒 永原会長からお声掛けいただき、6月からの北長瀬ブランチにて出店したのが年後初イベントです。

麦酒屋が肩を並べて出店できたこと、そしていつもイベントに来てくださっていたお客様、開業前からイベントボランティアで関わって下さった方々から励ましのお言葉や「待ってたよ!」とお声掛けくださったときにこみ上げるものがありました。

出荷ベースは樽生と瓶ビールの前年比がきれいにひっくり返ったという感想です。

また、笠岡港で初めて立ち上がったイベント「ミナトの休日」

沢山の地元の方やビールイベントにかかわってくださった方が応援して下さり、制限がかかっているの中でも楽しんでくださりホッとしています。

イベントに出店して下さった方はもちろん、必要不可欠となった体温測定や検温シールの配布を助けて下さった皆様、イベントをさせて下さった笠岡市に感謝します。

●プライベート●

島での生活というものに非日常を感じなくなっていましたが、この状況でもてなしたくてもできないという歯がゆい思いが膨らみ、島に期待という声を受けるたびに自分の中にあの時の非日常が少しよみがえり、ありがたみを覚えるようになりました。娯楽は自分たちで作る。そんな島ライフ、島スピリットが少し備わったのかなと感じてます。

また、瓶ビールを飲食店様に納品し始めた今年。実際に食事に行かせてもらい、改めて飲食店様のサービスのありがたみを感じてます。楽しかったことの一つにお得意様でのお食事(飲酒)が正直大きかったです。本当に心が癒されました。素晴らしいお得意様に恵まれて本当にうれしいです。


2021年は、出荷が増えている瓶ビールの品質向上と作業の安定化、仕込み効率のアップと今年ため込んだ仕込みデータに基づき定番商品のさらなるレベルアップ。

来年はビールの品評会に出品します。そしてメダルを取って「やっぱ六島推しててよかった!」と思ってもらえる一つの物差しを得たいと思います。

来年も納得のいく一年になるよう精進します。

六島浜醸造所 Mushimamhama brewery

岡山県最南端の醸造所。そこは人口60人、島の面積1平方キロメートル。小さな島には日本が忘れかけていたライフスタイルや知恵、人のつながりがある。そんな故郷に惹かれ、大阪から移住した男が醸す麦酒醸造所。

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